力さんの温泉巡礼

信州人温泉マニアの全国湯めぐり紀行

飯坂温泉 共同浴場|地元に密着したアツアツの温泉銭湯


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飯坂温泉福島市街地の北部にある大きな温泉地。

温泉街を形成しており、「東北一の大温泉」と言われているそう。

街中には9つの共同浴場があるということで、鉄道旅の途中に寄ってみることにしました。


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福島駅からは福島交通の飯坂線で向かいます。

鄙びたローカル鉄道といった感じ。 

 

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阿武隈急行と併設したホームになっています。

この日は日曜日ということもあり、電車は観光客らしき人たちでいっぱい。

聞こえてくるのは東北弁。

遠方からの観光客というより、地元福島の人たちに愛されている温泉地に感じました。


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のんびり揺られて終点の飯坂温泉駅に到着。

大きな市街地の郊外、山際に温泉街が発展している感じ、上田の別所温泉や松山の道後温泉に似ているなあと思いました。

さあ、湯めぐり開始です!


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まず訪れたのが「鯖湖湯(さばこゆ)」。

日本最古の木造建築共同浴場だったそうです。

平成5年に老朽化により改築されましたが、現在も当時のように木造の重厚な造りとなっています。

観光客も多く訪れる飯坂一の人気外湯なのでは。

 

料金は200円。

浴室はみかげ石を使っており、共同浴場ながらもリッチな気分になります。

泉質はアルカリ性単純温泉。泉温は51℃。

源泉温度はそんなに熱くはないですが、湯船の温度は相当な熱さ。

やけど気味になりながらもじっと浸かってみました。


福島市内から毎週通っているという地元のおじさんは、「これじゃ熱くて入れない」と言いドバドバ加水。

かと思いきや、その後来た自称地元民のおじいさんが、「まだぬるい方」と言い水を止める。

地元民同士でも違いがあるんだろうなあ…

「観光客や若い人はすぐ水で薄めて湯の鮮度を落とす」と言われました。

団体で来たおじさん達は浸かっていなかったです。

 

いろいろありましたが、お湯はさすがの一言。

身体をシャキッと引き締めさせ、湯上がりは清涼感が半端なかったです。

アルカリ性なのでお肌もスベスベ。

無色透明無味無臭温泉、侮ることなかれ!


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次に訪れたのが「八幡の湯」。

こちらは地元の方の利用が中心のようです。

見ての通り、激渋。

お湯は鯖湖湯とそっくりで相変わらずの熱湯。

円形タイル張りのレトロな浴槽でした。


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こちらは「大門の湯」。

高台の坂を上った所にあり、景色も素晴らしいです。

ディープで良さそうでしたが、逆上せ気味だったので入浴はスルー。


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福島市街地方面を望む。

この飯坂という街、想像以上に大きいです。

家も密集していますし、人も大勢歩いています。

一見すると、ごみごみした普通の住宅街。

東北の温泉場ということを忘れてしまいます。


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こちらは「十綱湯(とつなゆ)」。

住宅街の中にある渋い共同浴場です。

飯坂の温泉街は道が迷路のようで、見つけるのに苦労しました。


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こちらは「導専の湯」。

新しい建物です。

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こちらは「仙気の湯」。

賑わっていました。

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さて、僕が一番感動した共同浴場がここ「切湯」。

温泉街の中央を流れる川沿いにへばり付くように建ち並ぶビル群。

その一画に切湯はあります。

道路の脇の階段を下るとまずは番台があります。

最初は気が付かなくて通り過ぎてしまいました。

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そこからさらに階段を下ります。

なんだ!?この迷宮の入口感は!?

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突き当りまで行くとお風呂場の入口が。

中はとっても狭いです。

素朴で小さなタイル張りの浴槽に、飯坂の熱湯がたっぷりと注がれています。

激熱なので皆さん入ったり出たりを繰り返します。

まさに地元密着系。素晴らしい共同浴場です。
 
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出るころには身も心もホカホカ。

またこの階段を上って日常へと戻ります。


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こちらは駅のすぐそばにある「波来湯(はこゆ)」。

ここだけ他よりも料金が高く、300円となっています。

その分、シャワーがあったり、適温に調節された浴槽もあるそう。

共同浴場初心者にはオススメです。


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飯坂温泉の中心部を流れる川沿いには、張り付くように建ち並ぶビル群があります。

多くは旅館だそうですが、何というか…恐ろしい鄙び具合。

イメージしていた「東北の温泉地」とは違う、これまた飯坂らしい独特の景観だなあ。

ますます好きになりました。

観光客も多く訪れる場所でありながらも、温泉が地域住民の生活の一部として浸透している。

素晴らしい温泉地です。