磐梯熱海温泉 湯元元湯|あつ湯とぬる湯に交互浴。路地裏の激渋共同湯
大型ホテルや高級旅館が立ち並ぶ中、明らかに別のオーラを漂わせる激渋共同浴場です。
ここの自慢は、何と言っても泡付きのある新鮮なぬる湯でしょう。
通勤時間帯ということもあり電車は激混み。
途中、猪苗代辺りから眺めた会津磐梯山が美しかったです。
磐梯熱海駅で途中下車します。
元湯へは駅から徒歩およそ2分で着きます。
めちゃくちゃ駅近というアクセスの良さ。
磐梯熱海温泉には共同浴場が計3つありますが、早朝から営業しているのは元湯のみだそうです。
他の2つは午後4時からの営業。
狭い路地裏の奥へ進むと温泉が現れます。
この迷宮感がマニアを興奮させます。
外観は想像以上に鄙びていてびっくり。
玄関で番台のおじさんに500円を払います。
時間帯によって入浴料金が異なるようで、夕方になるにつれて安くなるんだったような。
おじさんに初めて来たと伝えると、親切に浴室の場所など教えてくれました。
脱衣所はきれいに改装されていましたが、浴室の趣は昔のままです。
湯船は2つ。
広い方が30℃ほどのぬる湯、隅っこにある小さい方が45℃ほどのあつ湯となっています。
この温度差は加温によるものではなく、泉温の異なる源泉を使用しているからだそう。
磐梯熱海温泉の源泉は、多くが高温のものらしいです。
ぬる湯を楽しめる元湯はレアな存在ですね。
やはり、このぬる湯が極上湯!
吹き出るかのように源泉が勢いよく湯口から飛び出しています。
かなり広く、そして深い浴槽ですが、そんなことはお構いなし。
ドバドバと縁からオーバーフローしている様を見ると嬉しくなります。
新鮮だからこそ楽しめる泡付きや、ほのかな硫黄臭も感知。
冬場に30℃のぬる湯は厳しかったですが、加温しないからこそのこの新鮮さだと思います。
地元のお客さんに見習って、あつ湯とぬる湯を交互浴してみました。
あつ湯でホカホカに暖めた身体を、ぬる湯でじんわりと解すように冷まします。
これを繰り返しているとやめられなくなります。
朝風呂で旅の疲れもさっぱり!
湯上がりにまた番台のおじさんに話しかけられました。
「長野から電車を乗り継いで来ました」と言うと、「わざわざ遠いところから…ありがとうございます」と、とても親切に話を聞いて下さいました。
次の電車が来るまでのたった50分ほどの滞在だったから、本当はもっとゆっくりしていきたかったなあ。
「また来ます!」と伝えて、名残り惜しくも駅へと戻りました。
元湯はもともとは旅館だったのかな。
「元湯旅館」と書かれた看板や、旅館棟らしき建物も。
末永く続いてほしい温泉です。
高級旅館が立ち並ぶ敷居が高めの温泉かと思っていましたが、さすが歴史ある古くからの街。
お湯は本当に素晴らしいものでした。